浜松市楽器博物館
古今東西の面白楽器(午後の部)





午後はいよいよ浜松市楽器博物館が誇る民族楽器群を見に行きましょう。今までほとんど西洋の楽器や和楽器位しか目にした事がない人は、太古の昔から世界各地の民族によって演奏されてきた楽器の、種類の豊富さと想像を超えた創造性、躍動感、生命力に圧倒されることでしょう。
何ともおおらかでダイナミックなチベットの楽器。
2m以上はありそうな直管の金管楽器は西洋は
スイスのアルペンホルンに匹敵するかも。 
モンゴルのエベル・ブレーというカッコいい角笛。
シングルリードでクラリネットに似た音がするそうです。
ぜひ吹いてみたいと思った楽器です。 
なぜ楽器博物館に大砲が?と思われるでしょうが、
これはクローン・エーと呼ばれるタイの太鼓で、
名前の意味は「くびれた太鼓」だそうです。
タイ北部の仏教寺院で、儀式の合図を送る時に使用
するそうですが、中を覗くと穴は意外にも小さいです。
どうやって穴を開けるのでしょう?、
でも、上には上があるものです。左のヴァヌアツ(オーストラリア東部、南太平洋に浮かぶ島国)のタムタムと呼ばれる太鼓こそが世界最大の打楽器だそうで、高さ4.5mはあるでしょうか、ナサラと呼ばれる、儀式や祭事が行われる聖地に立っていて、中は空洞にくりぬかれ、上部には精霊の顔をした彫刻が施されています。現地人が祭事を営んでいる写真とともにこの太鼓の音が収録されていますが、音は素朴で意外に小さめです。何だかインディー・ジョーンズの世界に迷い込んだような感じがしてきました。
楽器はそれぞれの民族の信仰や自然観
と深く結びついているようです。
パプアニューギニアの横笛で、大きいものは3mを
超えるそうです。先端の唄口部分に穴が一つだけ
開いています。これを見ると現代のバス・フルート
なんておもちゃのように思えてきます。
オーストラリアの原住民アボリジニが吹くディジェリ
ドゥーという楽器。唇を震わせて音を出すのですが、
ユーカリの幹を白蟻に食べさせて空洞にするという
説明にいたく心を打たれました。
アフリカの、やはり穴に唇を当てて音を出す木製トランペットだそうです。一体どうやって吹くのでしょう?
音のサンプルはありませんでしたが、ぜひ実際の音を聴いてみたいものです。
小さなテレビ画面の中で、元気のいいゴゴ族の
お姐さん達が太鼓を叩きながら踊ってくれます。
メキシコの楽器は、色も形もそれっぽいです。
国の神話か何かに基づいているのでしょうか?
これも楽器ですか〜?どうやって演奏するの? これも楽器ですか〜??お、面白すぎます!

尺八コーナーで実に興味深い記述を見つけました。現在一般的に使用されている現代管の尺八と、古管と呼ばれる伝統的な尺八とは内径が異なっているというのです。
「現代管は音高や音程が正確で、音量も大きい。古管(こかん)は奏者が音高や音程の補正をする必要があるものの、一本一本が独自の響きを持ち、現代管では出せない多彩な音色を出すことができるとパネルに書かれています。
何だかクラリネットのドイツ管とフランス管の違いにも通じる話だなー、と現代管のイラストに目をやると、何と現代管尺八の内径は、フランス管、つまりベーム式クラリネットの内径にそっくりでした。
まあ人それぞれでしょうが、もしGmが尺八に興味を持って演奏するとしたら、当面は手に入りやすく易しい現代管から始めるとしても、きっと何時かは古管を吹いてみたいと思うことでしょう。

 
帰りに館内にあるスーヴェニア・ショップ「アンダンテ」に立ち寄ってみましょう。音楽や楽器に関する本や記念品が数多く揃えられています。色々なクラリネットグッズを集めているので、今回は、「部活ストラップ」なるものと、「レザー・キーホルダー」と、ガラス製「小熊のクラリネット吹き」の3点を買いました。

(2009.02.27 by Gm )