GRAESSEL 470 のディテール




計測数値で最も目を引くのは内径の太さだ。G3(左)の14.9mmに対して15.4mmもある。ViottoはZinnerベースなので現在のWurlitzerより僅かに内径が細いことを考慮しても0.5mmの差は大きい。GRAESSELはかなりの太管だったのだろうか。その分チャンバーの容積が大きくなり音程が下がる分をマウスピース全長の短さ(1.1mm)でカバーしているのかも知れない。
木製なので左右のレール幅が微妙に異なっている。同心円状に木目が美しく浮き出ている。 G.GRAESSEL
NURNBERG
と彫り込まれている。
曇ったようにうっすらと歯型が残っている。ゴム・パッチを貼った接着剤の跡も見える。 型番は2度押ししてあって判読しにくいが、472の2の上に強く0と押されているようだ。
木製故にチャンバー内はざらざらしている。これが音色に多様性をもたらしている可能性もある。 開きはドイツ管としては中庸だがフェイシングが短いので薄めのリードは噛むと張り付いてしまう。 このアングルからフェイシングが異例に短く開きも狭いことが判るだろうか?ドイツ管でフェイシングが1.95mmと短いのは現在市販されていない。最も短いものでも22mmある。