独(ドイツ)、墺(オーストリア)、仏(フランス)のマウスピースから主要品番をピックアップし、比較し易いよう一覧表上にプロットしてみました。
色付けした品番はドイツ管(エーラー式/ウィーン・アカデミー式)用。メーカー発表値と明らかに矛盾するものには若干の修正を加え、数値を公表していないものは実測値。
なおViottoについてはViotto氏本人の校閲を経ています。
作成した表を俯瞰すると、フランス管(ベーム)用とドイツ管用マウスピースの違いは元よりドイツ管でもドイツタイプとウィーンタイプの違いも際立っていることが解ります。
ベーム用マウスピースの特徴を一言で表せば「短いフェイシングと広いオープニング」であり、その対極にあるのが「長いフェイシングと狭いオープニング」のウィーンタイプ。
ドイツタイプはその中間に位置すると言えるでしょう。ベーム用マウスピースは表上にプロットしてもばらつきが激しく、確たるコアが見えてこないのに対し、ドイツタイプと
ウィーンタイプは、丸で囲んだように、あるべき領域を墨守していることが解ります。
ドイツやウィーン固有の音色の源泉はここにもあり、自分がどのような音を目指しているのか問われているようにも思えます。
「理想のムント・シュテュック探しはクラリネット奏者にとって終わりのない旅なのさ」(Reiner Müller van Recum)
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(最終更新日:2012/06/07 by Gm) |
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