先日やったプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」の13曲目「騎士たちの踊り」。「ロメジュリ」ならこの曲というくらい有名な曲だが、その中間部、弦のグリッサンドをバックにフルートの静かなソロ4小節の後、クラにこんなフレーズが出てくる。a2なので目立つことこの上ない。
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バナナキイは伊達じゃない |
要はファ(f)とファ♯(fis)のトリルなのだが、fをサイドキイによる通常の指使いでトリルすると、fisが高めになってしまう。そこでミ♭(es)からファ(f)へバナナキイを使って左中指(3)を素早くスライド(というより中指を手前に倒す)させ、左手人差し指(2)と中指(3)でトリルするのだ。
その際にバナナキイの先端の膨らみと指に沿ったなだらかな傾斜が、実に考え抜かれた形状であることを実感させられた。過去上管のバナナキイを半音階や音程補正のために使うものと考えてきたGmは、このフレーズによって遅まきながら認識を新たにさせられた。
ベームの針金のようなキイではスライドはできないし、そもそもf/fisのトリルなんてサイドキイを使えば誰でも簡単に(しかもメチャ早く)できるからほんとお気楽だよね・・・とイヤミ(マケオシミ)のひとつも言ってみたくなる。
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